相続放棄と入院費に関するQ&A
Q相続放棄をするのですが、故人の入院費を支払ってもよいですか?
A
被相続人の預貯金や現金を使って被相続人の入院費を支払ってしまうと、相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。
民法においては、法定単純承認事由に該当する行為をすると、相続放棄ができなくなる旨が定められています。
法定単純承認事由に該当する行為のひとつとして、被相続人の財産の処分が定められており、被相続人の現金や預貯金を使用することは財産の処分に該当します。
相続人の方が、ご自身のお金を使って被相続人の入院費を支払っても、相続放棄ができなくなることはありません。
Q自腹で入院費を支払う場合、相続放棄に影響はありますか?
A
相続放棄をする予定の相続人の方が、ご自身のお金で被相続人の入院費を支払っても相続放棄ができなくなることはありません。
相続放棄をすると、被相続人の債務を負担することはなくなりますので、基本的には入院費は支払わなくても問題ありません。
Q相続放棄をする場合でも入院費を支払わなければいけないケースはありますか?
A
相続放棄をした場合、被相続人の債務である入院費は、基本的には支払う必要はなくなります。
ただし、被相続人がご生前に入院した際に、相続人の方が被相続人の保証人になっていた場合には、相続放棄をしても被相続人の入院費を支払わなければなりません。
被相続人の入院費の連帯保証債務は、あくまでも入院先の病院等と相続人の方との間の連帯保証契約に基づく債務ですので、相続債務ではありません。
そのため、相続放棄をしても負担を免れることはできず、支払わなければなりません。
連帯保証をしていた入院費を支払わなければならなくなった場合には、念のため連帯保証債務の弁済として支払った旨を領収証に記してもらうとよいでしょう。